ご訪問ありがとうございます。
フリーランス日本語教師のみやざきです。
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う
自粛期間中に
SNS経由で初めて漫画を課金した方や
連載ものを大人買いしてしまった方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
私もSNS経由で漫画の広告をクリックし
いつもより多めに課金して
読んでしまいました(ちょっと反省)

SNSの広告ってこちらの好みを
しっかり押さえてますよね……!
今回は、最近ハマっている
「後宮・王朝モノ」の漫画をご紹介します。
「後宮」=皇帝などの君主と皇后、側室・妃嬪(ひひん)などが住まう宮のこと
私の「後宮・王朝モノ」の漫画の定義は
✔ 漫画の舞台が東アジアをモチーフにした『後宮・王朝』であること
✔ 登場人物の構図は、その後宮の君主+皇后・側室+権力を狙う男女多数
✔ 君主に対する最高敬語のほか、絶対敬語、自尊敬語などが登場する
「大奥」や韓ドラの「チャングムの誓い」なども「後宮モノ」と言えます
絢爛豪華な装束や、王朝文化独特の言葉の使い方など、漫画の中で繰り広げられる生活様式はまさに異世界そのもの!
私が好きな漫画は跡継ぎ争いのドロドロ系よりも「ヒロインにジェンダーフリーの描写があるもの」でした。
そこで今回は「カッコイイ女性」が登場する後宮モノを集めてみました。
「ただの恋愛系ではなく、学びが多くて絵がキレイな漫画が読みたい!」
という方には特にオススメの4選です!
紅霞後宮物語 ~小玉伝~
『紅霞後宮物語』(こうかこうきゅうものがたり)は、富士見L文庫から小説としても販売されています。もとは「小説家になろう – みんなのための小説投稿サイト」に連載されていた作品です。
【以下、あらすじ】
ヒロインの関小玉(かん・しょうぎょく)は庶民の出で15歳で徴兵された後、20歳という異例の若さで将軍にまで上りつめる。しかし、その待遇が芳しくないことに気づいた副官・周文林(しゅう・ぶんりん)。文林は皇族の血を引いており、ある日突如として皇帝に即位する。文林が皇帝となったのは、小玉に対する秘めたる想いと政治的画策があり……。
ヒロインの小玉(しょうぎょく)の勇ましさ・ユーモア・毅然とした態度に惚れ惚れします。そして、文林が眉目秀麗でどのページでもとにかく美しいです(笑)
最新刊は第9巻ですが、まだ完結していません(2020年8月現在)
小説版のほうが物語の展開が進んでおり、漫画にはない描写もあるので(※登場人物の設定などが漫画版とは若干異なります)、漫画にハマったら小説版もあわせて読むことをオススメします!
ヒロインのかっこよさ :★★★★★
登場人物のユーモア :★★★☆☆
宮廷内の装束文化の美しさ:★★★★★
ジェンダーフリーの描写度:★★★☆☆
ミステリー的要素 :★★★★☆
とりかえ・ばや
『少女革命ウテナ』のさいとうちほ先生の作品。平安時代末期に作られた作者不詳の『とりかへばや物語』を漫画化したものです。
【以下、あらすじ】
平安時代の権大納言家の妻2人(それぞれ東西の対家に居住)に、男女の美しい赤ちゃんが同じ日に生まれた。二人はそっくりの麗しい風貌だが、西の対家に生まれた沙羅双樹(さらそうじゅ)の姫君は活発で凛々しく「男らしい」性格に育ち、東の対家に生まれた睡蓮(すいれん)の若君は人見知りで内気な「女らしい」性格に育っていく。やがて二人の評判は帝にまで届き……。
「とりかえ・ばや」は「取り替えたいなあ」という意味。
沙羅双樹、睡蓮、それぞれの母親が子どもたちの個性を受け入れている様子をみて、父の権大納言も「とりかえばや」と思いつつも子どもたちを受け入れていく描写に、なんだかほっとします。
とはいえ、帝をはじめとした宮中の人々に対して、性別を偽りながら過ごす毎日はどのような心地だったか。恋慕や帝への忠誠心、権力争いでうごめく宮中での人間模様に目が離せません。
単行本は全13巻完結です!
ヒロインのかっこよさ :★★★★☆
登場人物のユーモア :★★☆☆☆
宮廷内の装束文化の美しさ:★★★★☆
ジェンダーフリーの描写度:★★★★★
ミステリー的要素 :★★★☆☆
薬屋のひとりごと
こちらも原作は『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』というオンライン小説(ライトノベル)です。
【以下、あらすじ】
薬師として花街で働くヒロインの猫猫(読み方:マオマオ)は、ある日突然街中で誘拐され、後宮に下女として売られてしまう。後宮では目立たないように奉公していたが、皇帝の子どもたちが乳幼児期に次々と亡くなる事件が起きていることに気づいた猫猫。鋭い洞察力と薬学の知識を発揮する猫猫は、宦官(かんがん)の壬氏(じんし)にその才を見出され……。
※宦官(かんがん):後宮に仕える去勢された男の役人
実はヒロインの猫猫には隠された身の上があるのですが、当の本人は恋愛やお世継ぎ争いには興味のない「毒や薬草が大好きな変わり者の薬師」です(笑)
薬学の視点から事件を解決する「謎解き」が楽しめる作品。同じタイトルで作画の異なる作品があるのですが、おすすめは「ねこクラゲ」さん作画の単行本(全6巻・2020年8月時点で未完)です。
ヒロインのかっこよさ :★★★☆☆
登場人物のユーモア :★★★★☆
宮廷内の装束文化の美しさ:★★★☆☆
ジェンダーフリーの描写度:★★★☆☆
ミステリー的要素 :★★★★★
千年狐(せんねんぎつね) 〜干宝「捜神記」より〜
中国の志怪小説の一つである「捜神記」を基にしたストーリー。『月刊コミックフラッパー』(KADOKAWA)で、2018年5月号から現在も連載中の漫画です。
【以下、あらすじ】
君主と妾の間に生まれた「凶兆の証」とされる子狐の廣天(こうてん)は、千年の時を超えて今もなお生き続けている。ある時は人間に化けて知恵比べし、ある時は人助けをし、またある時は己の存在意義を追い求めて旅に出る。廣天が産まれて間もない頃から見守っていた樹齢千年の神木・華表(かひょう)を親友のように慕っている。そんな廣天を密かに狙うものも現れて……。
一見するとシリアスな話ですが、突如として始まるドタバタの落差が激しすぎて面白いです(笑)
主人公の廣天(こうてん)は女性(メス?)なのですが、女性を思わせる言動や恋愛的絡みは一切なく、出会う人々にも「男性」として認識されがち。なぜなら、廣天は驚くほど「美男子」だからです。
2020年8月現在、単行本は全4巻(未完)発売されています。
ヒロインのかっこよさ :★★★★☆
登場人物のユーモア :★★★★★
宮廷内の装束文化の美しさ:★★☆☆☆
ジェンダーフリーの描写度:★★★★☆
ミステリー的要素 :★★★★☆
番外編:韓国映画「王の男」
「王の男」は2005年末に韓国で公開、日本ではその1年後の2006年12月から全国で公開されました。
【以下、あらすじ】
李氏朝鮮時代、暴君と名高い燕山君と愛妾の風刺劇を披露した主人公コンギル(イ・ジュンギ)と相棒のチャンセン(カム・ウソン)は、不敬罪で捉えられてしまう。しかしコンギルの機転で罪は赦され、眉目秀麗で優しいコンギルに王様が次第に惹かれていくが……。
「王の男」は私が初めてハマった後宮モノで、今までに見た映画の中でも三本の指に入る「推し映画」です。
イ・ジュンギが本当に美しくて、王様が心を奪われるのも分かります!
※やや残虐なシーンもあるので注意です。
まとめ 「後宮モノ」の見どころは美しさだけじゃない
今回の記事でご紹介した「後宮モノ」は
ヒロインの凛々しさと男性陣の美しさを一度に堪能できます。
また、後宮を舞台にしたストーリーはただ華やかなだけでなく
時に君主の命により、驚くほどあっさりと人の命が断たれます。
そこには儚く散ったそれぞれの想いが垣間見られます。
自粛期間中に、後宮という異世界に浸かってみるのもいいかもしれません。
また、次回の記事でお会いしましょう!