2020年度地域日本語教育コーディネーターの活動報告(オンライン化した日本語講座等について)

日本語教師
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ご訪問ありがとうございます。日本語教師のみやざきです。

2020年度は地域日本語教育体制整備事業のさらなる拡充が期待されていたのですが、コロナ禍で対面型の事業(日本語教室の設置等)が思うように進みませんでした。

※地域日本語教育コーディネーターの業務内容は、こちらの過去記事にまとめています。

 

みやざき
みやざき

今年度は継続事業をオンライン化する取り組みを中心に進めました!

この記事では、2020年度に実施した各事業についてご報告します。

 

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初級日本語講座の一部オンライン化を提案

この事業のオンライン化は2020年度4月に提案しました。国際交流協会が実施していた対面の初級日本語講座を、Zoomを利用したオンライン講座にしてはどうかという案です。最終的には対面講座も残したほうがよいという結論に至り、オンライン講座と対面講座を両方実施しました。

メリット1:新型コロナウイルスの感染リスクを抑えられる

2020年度にオンライン化を進めた一番の理由は、ウイルス感染のリスクをゼロにしたかったからです。対面での講座実施の場合、コロナの影響により施設が閉鎖されていることもあります。日本語講座をオンライン化することにより、施設の稼働状況やウイルス感染を心配する必要はありません。

メリット2:遠隔地に居住する人なども受講できる

地方では公共交通機関が発達しておらず、車での移動が一般的です。日本語学習者の中には運転免許を持っていない人も少なくないので、行動範囲が限られてきます。日本語講座をオンライン化することで、物理的な距離の制約で講座に参加できなかった人も参加できるようになります。

オンライン化に伴う交渉と準備

日本語講座のオンライン化にあたって、まず事業担当者に直接交渉しました。その時に私は「コロナの影響が続けば、今年度の事業実績はゼロになるかもしれません」と言い、事業実績にかこつけてオンライン化を推進しました。担当者のご尽力のおかげで、日本語講座のオンライン化が実現しました。

それから、担当者にオンライン講座で使用するZoom(ビデオ会議システム)の使い方をレクチャーしました。担当者にZoomの使用感(基本的な操作は難しくないことを体感する)とZoomのメリットを体得してもらうことで、その他事業のオンライン化も前向きに検討していただけることになりました。

みやざき
みやざき

事業のオンライン化のためには、まずは自分がリードしてオンラインツールを体験してもらうといいでしょう。丁寧にレクチャーして「あ、自分にもできそう!」と思ってもらえれば、事業のオンライン化はぐっと現実的になります。

今年度はオンライン日本語講座を新たに創設したことにより、コロナ禍にもかかわらず、従来より多くの学習機会を地域の日本語学習者に届けることができました。

■初級1/初級2(平日日中・対面)対面 計3回 ←コロナにより1回分中止

■初級1/初級2(夜間・対面) 計2回 ←2019年度新設、2020年度継続

■初級1/初級2(平日日中・オンライン) 計4回 ←New!

※初級1・初級2の使用テキストはこちらです↓

 

オンライン化したその他の事業等

前述の日本語講座以外にも、新たな事業の試験運用を細々と開始しました。提案を前向きに検討し、実現化に尽力してくださった担当者や関係者のみなさん、本当にありがとうございます。

オンライン日本語講座講師会を創設(年2回)

日本語講座の拡充にともない、講座を担当する講師も増えました。そこで、それぞれの日本語講座の振り返りとノウハウをシェアすべく、オンライン日本語講座講師会(Zoom実施)を創設しました。

Zoomでそれぞれの学習者の様子や課題・取り組みなどをシェアし、講師同士で励まし合いながらよりよい日本語講座をつくっていけたらといいなという思いから提案し、めでたく実現に至りました。

2回目の会議では地域の日本語学習者のニーズを勘案し、2021年度に向けて、日本語講座・初級3と初中級クラスそれぞれのオンラインコースの新設を提案しました。

初級3のテキストは初級1・2の続き↓です。初中級講座の内容は現在検討中です。

日本語学習支援者養成講座の講師を担当

今年度は継続事業の「日本語学習支援者養成講座」の一部の回の講師を担当しました。

この事業は、地域の日本語教育に興味のあるのみなさんが日本語学習者への理解や支援のあり方などについて学べる連続講座(全4~8回・開催地によって変動あり)です。ここで講座を修了した方の中には、地域の日本語ボランティア等で活動される方もいらっしゃいます。

この事業は開催地区を年々増やしており、県内各地の日本語学習支援者の開拓・啓発に貢献しています。私たち地域日本語教育コーディネーターの課題は、この講座修了生が地域の日本語教育に参画できる場や機会を提供・支援することだと思っています。

地域住民と交流できる日本語教室のオンライン化

コロナの影響で対面の日本語教室実施が思うように実施できなかったので、試験的に日本語教室をオンライン化することにしました。内容は ①防災クイズ ②県内の名所紹介 ③ブレイクアウトルーム(Zoom上で、オンライン上の部屋を小分けにする機能)で日本語サポーターとおしゃべり です。

日本語サポーターとのおしゃべりに関しては、ネタを事前に打ち合わせし、学習者のレベルに合った質問内容や話の聞き方などを事前にシェアしてから当日の支援に臨んでいただいています。

今回集まった参加者は4名で、レベルは初中級程度(CEFRのA2~B1)でした。参加者の反応もよかったので、2021年度も定期的にオンライン日本語教室を実施できたらいいなと思っています。

 

対面での日本語教室の設置の課題

2020年度はコロナの影響で対面での日本語教室設置が非常に困難でした。年10回実施の予定が施設閉鎖等により3回に縮小され、緊急事態宣言の影響もあって、実施できたのは1回のみでした。

ここでは昨年度から続く、日本語教室実施に際しての課題をまとめてみました。

「また参加したい!」と思ってもらえる内容にする

この事業の日本語教室運営は、事前に自治体担当者に聞き取り調査を実施し、自治体が課題に感じていることをもとに日本語教室の内容を決定します。

そんな事情もあり、地域の学習者ニーズに沿ったものをつくるのがとても難しい面があります。例えば、自治体担当者が「ゴミの分別について扱ってほしい」と言っても、それを全面に出すと地域の日本語学習者が興味を示してくれない可能性があります。

そこで、ゲームなどで交流や活動の要素を加え、「生活に役立ち、なおかつ参加して楽しい」という内容に仕上げなければなりません。また、一方的に日本語を教えるのではなく、日本語学習者と地域の支援者をつなぐ活動にする必要があります。

広報が日本語学習者に届かないというジレンマ

せっかく企画した日本語教室開催の情報が、地域の日本語学習者に届かないという問題があります。

多くの人に日本語教室開催を知ってもらうには、①日本語学習者が立ち寄る施設やコミュニティに広報を依頼する ②日本語教室を定期的に実施する(口コミ効果)③SNSで定期的に告知する などの方法があります。日本語教室や日本語講座を希望する人に届けるべく、現在も地道に広報を続けています。

 

【①および③の広報場所の例】

・県内の外国人SNSコミュニティ

・県内のALT(外国人指導助手)コミュニティ

・在住外国人がよく利用する民間施設等(スーパー、カフェ、バーなど)

・自治体で転出入の手続きをする所管課の広報スペース

・地域のキリスト教教会やイスラムコミュニティ等

・各市町村の国際交流協会や国際交流団体等

・技能実習生のいる企業等

教室運営には地域の支援者の協力が不可欠

日本語教室(対面・オンラインいずれも)を開催して感じることは、日本語教師だけでは地域の日本語教育の諸問題を解決できないということです。私は一人で全てを抱え込むのではなく、可能な範囲で地域の日本語学習支援者(日本語サポーター)に教室運営を協力してもらっています。

日本語学習者の力になりたいけど、日本語を支援する機会がない。そう思っている日本語サポーター候補は意外と多いものです。次年度以降は日本語学習支援者(日本語サポーター)と日本語学習者が出会う機会を提供し、双方向の交流や日本語学習を支援できたらいいなと思っています。

 

まとめ 2021年度の抱負

2020年度はコロナ禍の中での苦肉の策ではありますが、一部の事業をオンライン化することで学習者の機会提供に貢献することができたと思います。

2021年度は対面の日本語教室運営のモデル地区をつくり、その他のオンライン化できる事業は引き続きオンライン化を推し進めていけたらと思っています。

最後までお読みくださりありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう!

みやざき

日本語教師8年目。通信制大学で日本語教育を学び、2008年に日本語教育能力検定試験合格。国内の日本語学校で専任、5年のブランクを経て非常勤講師→フリーランスへ。現在は文化庁地域日本語教育コーディネーター、Webライティング、英日翻訳等を受託しています。

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