大学のサマープログラム(夏季短期留学)の日本語入門クラスで奮闘中のみやざきです。
今回は、ゼロ入門レベルの短期滞在者に教えたい実用的なフレーズを簡単にご紹介します。
【今回のレッスン概要】
・外国人大学生(夏期短期留学)
・4カ国10名のクラス(エジプト4、中国4、アメリカ1、韓国1)
・日本語ゼロ入門(日本語を勉強したことがない人たち)
・滞在期間は3週間
・媒介語は英語

さっそく見ていきましょう!
簡単なやりとり
「簡単な受け答え」を最初にやるメリットはいくつかあります。
- 初対面の人にも咄嗟に使える言葉
- なんとなく感じがよい人になれる
- ペアで会話練習がしやすい

クラスの雰囲気もよくなります!
どうぞ/ありがとうございます
「どうぞ」には、After you(お先にどうぞ)の意味とHere you are.(これ、どうぞ)の使い方があります。
またレッスン中に「〇〇さん、どうぞ(あなたの番ですよ)」という意味でも使えます。
だいじょうぶですか?/だいじょうぶです
体調などを気遣う時のAre you OK ? や Are you Alright ? の意味のほか、レッスン中の「わかりましたか?」といった確認の意味でも使うことができます。
「最近の若者は『大丈夫』を乱用しすぎ」という声も聞かれますが、今回の学習者はまさにその「若者たち」なので、世代に合わせた実用的な表現を採用しました。
暑い(寒い)ですね/そうですね
都会で見知らぬ人に「暑いですね~」という機会はあまりありませんが、地方では意外とあります。
天気や気候の話から会話を始めるのは自然な流れなので、覚えておいて損はないでしょう。また、滞在先の方言の「暑い、寒い」を教えれば、地元の人に喜ばれるかもしれません。
お詫びする
すみません の3つの使い方
- 人とぶつかってしまった時など(Sorry)
- 人に声をかけたい時など(Excuse me)
- 落とし物を拾ってもらった時など (Thanks)
口頭説明+オーバー気味な身振り手振りor絵カードなどで説明すると分かりやすいです。
色んなシチュエーションで使えることを伝えると、学習者は積極的に使おうとします。
ちょっと待ってください
スマホで調べたり、カバンをゴソゴソしたり、誰かに確認したり…。相手に少し待ってほしいシチュエーションで自然に使える表現です。
また、「ちょっと/待って/ください」に分解して、それぞれの意味や文法を簡単に教えると、後々のレッスンがやりやすくなります。
すみません、ちょっとわかりません
何かを聞かれて分からなかった時(駅の場所など)にはもちろん、レッスン中に説明がわからない時などに使うことができます。
個人的には「もう一度お願いします」や「何と言いましたか?」よりも、相手が対応を工夫してくれる(言い換えなどをする可能性が高い)と思い、導入しました。

余裕があれば「日本語は明確に要求や意志を伝えないほうがよいケースが多い」ということを話してもいいかもしれません。
滞在先でお世話になる方に対して
よろしくお願いします/ありがとうございました
滞在先でお世話になる方に対しての挨拶です。レッスンの始めと終わりの挨拶にも使えます。
何かを一緒に行う時や仕事を依頼する時などにも使えるので、セットで教えると効果的です。
自己紹介について
「はじめまして」の扱いはケースバイケースで
テキストにありがちな自己紹介の「はじめまして」。
しかし、私たちが実際の生活で「はじめまして」を使う場面は限定的です。
学習者の中には「はじめまして」を知っている人もいますが
私は「はじめまして」を紹介しない理由を以下のように学習者に伝えました。
- 「はじめまして」=Nice to meet you の訳には違和感がある
- 「はじめまして」を言わなくても失礼ではない
- 「はじめまして」を言わないほうが自然な場合もある
自己紹介は「こんにちは(おはようございます)」などの挨拶をして
私は〇〇です+(大学・勤務先等の所属)+よろしくお願いします
の簡単な流れで言う練習をしました。

たしかに、「はじめまして」を言わないケースもありますね!
まとめ
今回は入門レベルの日本語学習者に対して、 短期滞在で実際に使える表現を選んでみました。
学習者にとっての実用性は滞在目的や学習者の立場によっても違うので、適宜調整する必要があります。
それを日々考えることが、日本語教師の醍醐味とも言えます。
また次回の記事でお会いしましょう!