ご訪問ありがとうございます。日本語教師のみやざきです。
コロナウイルス感染拡大の影響により
2020年度・2021年度は各教育現場でオンライン授業が導入されました。
日本語教師を目指す方が学ぶ「日本語教師養成講座」や
大学等の「日本語教員養成課程」も例外ではなく
一部のカリキュラムや実習をオンラインで履修することに。
そこで今回は
大学の日本語教員養成課程で実習の講師を務めた
日本語教師のMARUSHIMAさん(@saisen1020)に
Zoomでインタビューをさせていただきました。
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MARUSHIMAさん、よろしくお願いします!

こちらこそ、よろしくお願いします!
MARUSHIMAさんのプロフィール

2020年3月まで、10年ほど日本国内や韓国の教育機関で日本語を教えてきました。2020年4月に現在の所属大学に移り、人文系の学部で日本語教育関連の科目を中心に担当しています。
今回実施したオンライン教育実習について
まずは、MARUSHIMAさんに実習がオンラインになった経緯を聞いてみました。
以下、MARUSHIMAさんより
2020年度・2021年度ともに、コロナウイルス感染拡大の影響で外部機関での実習が相次いで中止となりましたが、海外(韓国)の提携校で「オンラインでなら」というお話を頂きました。
2020年度は実習を見送りましたが、2年連続中止にしてしまうと現4年生が外部機関で実習する機会を失ってしまうため、オンラインでの実施に向けて動くことにしました。
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今回のオンライン教育実習の受講者は、何名くらいだったのでしょうか?

夜間部の年配の社会人学生と、他学部の20代の学生の計2名です。
2人とも日本語教員養成課程の受講者でした。
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オンライン教育実習では、どんなツールを使いましたか?

ビデオ通話はZoomで行いました。今回は実習先が韓国の提携大学ということもあり、現地の先生方との連絡はカカオトーク(韓国でよく使われているチャットアプリ)とメールを併用しました。実際の実習は、以下のような流れでした。
- ガイダンス・現地のオンライン授業見学→実習・反省→最終日に総括(計5日間)
- 実習内容:1人あたり50分授業×3回(初級2回、中上級1回)
- 初級2回はそれぞれ別のクラスのため、同じ教案でも可
- 会話を中心とした文法、表現などの授業(実習先からの指定)
- 1回の実習ごとに現地の担当の先生から評価シート+反省会でフィードバック
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1週間のオンライン実習指導、大変でしたね・・・!

実は私も日本語学習者へのオンライン授業の経験がなかったのですが、4年生たちの実習の機会をつくるために準備をがんばりました・・・!
オンライン教育実習での失敗談
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オンライン教育実習で、大変だったことは何でしょうか?
以下、MARUSHIMAさんより
時間がない上に昼間部の学生と夜間部の学生だったために、二人そろって集まってもらうことが難しく、「学び合い」が起こりにくい環境だったのが残念です。
日本語ボランティアの経験がある学生とそうでない学生、ICTスキルが高い学生とそうでない学生であった点も、個別に対応せざるを得なくなる要因でした。
ICTに不慣れな受講者にはZoomやパワーポイントの基本的な使い方など、対面にはないレクチャーが必要だった点も、オンラインならではのものでした(それも意義はあると思っています)

そして、対面に慣れている実習生をどう解きほぐすかが最大の課題で、対面での模擬授業と同じやり方では成立しないこと(文型練習を繰り返すなど)を何度も伝えました笑
オンライン実習のために事前に準備したこと
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MARUSHIMAさんがオンライン実習で準備した機材などを教えてください。

はい!実際には↓のようなものを準備しました。
- 定員20名ほどの講義室を貸し切り、教員用のPCで海外(韓国)の実習先と繋ぐ
- 理由①:ICTに不慣れな学生のサポートが遠隔では難しい
- 理由②:対面授業が始まっており、自宅に戻っての実習が時間的に難しい
- セキュリティ上等の理由から、ネット接続、zoom接続は教員が行なう
- PCの体制:講義室にノートPC2台(無線)、教員の研究室のPC(有線)
- 講義室のメインのノートPC:実習者用。スピーカー、プロジェクターに接続
- 講義室のサブのノートPC:もう1人の実習者の見学モニター用
- 教員の研究室のPC(有線):時々講義室のwi-fiが不安定になったため

実施が決まってから実習に入るまで2か月もなかったため、受講生にとっても準備が大変だったと思います(オンラインでなければ、このようなスケジュールで実施されなかったと思います・・・)
オンライン実習で起きてしまったトラブル
以下、MARUSHIMAさんより
授業見学時にPCの電源コードが抜けてしまってPCが落ちたこと(あらかじめ2台用意していたので大事にはならずに済みました・・・)
同じ教室に2台PCを用意していたうえに、教室のスピーカーから音声を流していたので、時々音声がハウリングを起こしてしまうことがありました。調整が難しかったです。

実習先の学生の声が突然聞こえなくなることや受講生がスピーカー音声に慣れておらず相手の声が聞き取りにくいなど、音声によるトラブルが多かったです。
オンライン教育実習で得た気づき
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MARUSHIMAさん、オンライン教育実習での気づきを教えてください!
オンライン教育実習の気づき1

学生の授業を時々別室からモニターしていたのですが、オンラインと対面とではだいぶ声の聞こえ方が変わることが印象に残りました。
対面のクラス授業では小さすぎる声量だったのですが、マイクを通すと声量もカバーできて明瞭に聞こえるし(設定もあったかもしれませんが)、むしろ穏やかな話し方が好印象に感じました。
普段の会話で教室授業のように声を張って話すことは少ないので、ある意味オンラインの方が自然な発話に触れられるのかも知れません。
オンライン教育実習の気づき2

日本語指導のボランティア(対面)をしている社会人の実習生は、オンラインでパワーポイントを中心にした授業を展開することに苦労していました・・・
これまで対面で模擬実習や日本語ボランティアなどをしてきた学生たちだったので、オンラインで授業をするために、前提を変えてもらわなくてはならない点も大変だったところだと思います。
対面⇒オンラインへの対応は、かなりアンラーニング(学び直し)が必要だったのではないかと感じました。きっと現役プロの日本語教師の先生方も相当苦労されただろうと思います。
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オンライン授業にうまく適応できずに日本語教師を諦めてしまった人もいると聞きます。たしかに、既存のやり方を捨てて学び直すのは勇気が必要ですよね。
まとめ 未経験者こそオンライン実習に挑戦しよう
今回は日本語教員養成課程で実習の講師を務めた
日本語教師のMARUSHIMAさん(@saisen1020)に
Zoomでインタビューをさせていただきました。
「私はオンライン授業はやったことがないから・・・」
という人こそ、日本語教員養成講座の実習で
オンライン授業が選択できるなら挑戦したほうがいいです。
今後は国内外を問わずあらゆる日本語教育現場で
オンライン授業を求められる機会が増えていきます。
さまざまな職場で柔軟に対応できるように
オンライン授業・レッスンをぜひ体験してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!