記事をご覧いただきありがとうございます。日本語教師のみやざきです。
先日、地域日本語教育コーディネーターとして企画・運営した地域日本語教室×ボードゲーム交流会を無事開催できました!
今回はこの日本語教室が開催決定に至るまでを簡単にご紹介します!
なぜ宮崎県川南町? ~大人の事情がありました~
今回の対象地域は、宮崎県央地区(宮崎市郡と児湯郡にある自治体)内で、過去に日本語教室を実施したことがない地域でした。
事前の文書調査に回答していただいた自治体から順に追加の聞き取り調査を行い、地域の在住外国人の状況を調査しました。
結論から言うと、ほとんどの自治体から「日本語教育のニーズや必要性を把握していない」といった回答をいただきました(回答が返ってこなかった自治体もあります)。
おそらく、普段から外国人住民とコミュニケーションをとる機会がないので、当然といえば当然の結果です。
そんな微妙な反応の中から、どのように日本語教室を創るか。
結果的には、県の担当者から「(今回は時間もないので)住民数に対して最も実習生の割合が多い自治体で日本語教室を設置しよう」といわれ、対象地域を絞ることになりました。
そこで白羽の矢が立ったのが川南町です。
直感的に思いついた企画が、地域の協力者を交えた「日本語教室×ボードゲーム交流会」でした。
なぜボードゲーム交流会? ~日頃のつながりの大切さ~
今回は前半を日本語教室、後半をボードゲーム交流会にしました。その理由は、川南町にはボードゲーム仲間がいたからです。
今回協力してくれたボードゲーム仲間のお二人です↓
今回のサポートボランティアのお二人とは、「ひなたボードゲーム会」という会を通じてたびたび交流しています。
こちらの会には毎月30名前後が集い、各テーブルを囲んでボードゲームを楽しみます。授業・レッスンのネタ探しにもなるので、勉強も兼ねてたびたび遊びに行っています。
今回の日本語教室とボードゲーム交流会の様子ツイート↓
使用したボードゲームリストはこちら
- ナンジャモンジャ
- ボブジテン
- ゴキブリポーカー
- そっとおやすみ
- リングディング
ボードゲームをサポーターした方の感想↓
「ボブジテン」は、カードに書かれたカタカナ語を「カタカナを使わずに別の言葉で表現して、何の言葉を説明しているかを当ててもらう」ゲームです。
N4相当の受講者には「ボブジテンきっず」がちょうどいい難易度でした。
地元の日本語教師に依頼する ~誰かの仕事を創る意義~
今回は自分で講師をするのではなく、川南町在住の同僚に日本語講師をお願いしました。
「地域日本語教育」は地域と日本語教育を結ぶことが本来の趣旨であり、今回の日本語教室を今後の地域活動につなげたいという思いがあったからです。
その自治体のことは、その自治体に住んでいる人のほうがよく知っているはずです。
災害時の避難所や地域のイベント情報、人気のあるお店などのローカルな情報を知っている人材を講師に起用すべきだと考えました。
また、勤務校で働く同僚に、勤務校以外での活躍の場を提供したいという気持ちもありました。
日本語教室で地域を結ぶ ~対象は外国人だけじゃない~
地域日本語教育や日本語教室は、外国人だけが対象ではありません。
今回は運営上の都合から、公の参加者募集を外国人のみに絞りましたが、本来は日本語教室を通して地域住民と外国人とを繋いでいくのが事業の役目です。
新規日本語教室で日本語教師が日本語教育を施して、その中だけで世界が完結してしまっては「地域日本語教育」とは言えません。
いかに地域住民を巻き込むか。地域住民との接点を創るか。日本語教室運営においては、その視点が欠かせないと考えています。
まとめ ~地域日本語教育に唯一の正解はない~
いろいろと書きましたが、地域日本語教育に正解はないと思います。
今回は川南町を含めて県内4ヵ所の新規日本語教室を実施しましたが、実習生の中では「N3対策講座の需要」が相当数ありそうだなと感じました。
また、個人的には消防団×地域日本語教育も面白そうだなと思っています。
これからもいろいろなアイデアをみなさんとシェアしながら、地域の方々と連携して新たな日本語教育を創っていけたらと思います。
また次の記事でお会いしましょう!