ご訪問ありがとうございます。日本語教師のみやざきです。
2019年度から拝命した地域日本語教育コーディネーターも
早いもので活動を始めて丸3年となりました。
今年度もコロナ禍で日本語教室設置が計画通りには
進められなかった一方で、新たな取り組みも生まれました。
この記事では2021年度(令和3年度)の実績報告をいたします。
「地域の日本語教育」の何かの参考になれば嬉しいです。

オンライン日本語講座に初中級クラスを創設
地域の日本語教育が充実している自治体には、複数の日本語教室や日本語講座があります。
九州の佐賀県や東北の仙台市などでは、様々なレベルや曜日ごとの日本語教室・日本語講座が開講されており、我が町でも学習者ニーズの高いクラスの新設を考えていたところでした。
これまでの学習者のニーズを聞いて企画案を出し、2021年度から創設したのが「初中級クラス」です。このクラスでは国際交流基金の『まるごと』という教材を使用しています。
『まるごと』はホームページ上のダウンロードコンテンツが充実しているので、オンライン授業ではとても助かっています(この初中級クラスは2022年度も継続することになりました!)
地域日本語教室に新たな自治体が参画
管轄している10の自治体のうち、新たな自治体が日本語教室の新規設置に乗り出しました。
そしてなんと、町議会議員さんが日本語教室の見学に来てくださったのです。
議員さんにお話を伺ってみたところ、今年度の町議会で「外国人住民の生活サポートはどのようになっているのか」と質問してくださったとのこと。このような議員さんがいてくださると、自治体で独自に事業化をしやすくなるので、大変ありがたいです。
また、オンライン会議を通して複数の市町村で、それぞれの日本語教室の進捗状況や課題などを共有しました。自治体の担当者からは「他の自治体の日本語教室を見学したい」という声があがるようになり、自治体間の交流や情報交換の基盤ができつつあるように思います。
次年度も各自治体の関係者を主体とした、日本語教室の設置を進めていきたいです。
新たな地域の日本語教育人材の確保
事業3年目にして新たな日本語教師経験者を発掘することができました。
その方は関西で日本語教師の経験があり、現在は地域おこし協力隊として活動していらっしゃいます。今年度はその方にも地域の日本語教室に参加していただきました。
次年度はその方を中心に、町独自の日本語教室が開講されます。
私たちの住む地域には、日本語教師有資格者や経験者が活躍の場を待っているかもしれません。人材の発掘と能力発揮の場を、これからも提供するお手伝いをしていきたいです。
次年度は地域の施設担当者や諸団体、日本語教師有資格者などを更に巻き込んでいきます!
日本語ボランティアのための「やさしい日本語講座」実施
とある自治体から「やさしい日本語講座」の講師のオファーをいただきました。お話を伺ったところ、日本語教室に携わる市民ボランティア向けに講座を実施してほしいとのことでした。
そこで自治体の担当者に日本語教室のコンセプト等をヒアリングした上で「やさしい日本語講座」を実施しました。久々の対面での講座に、かなり緊張しました。
講演活動は本来の業務ではないのですが、各現場の方が少しでも「やさしい日本語」の必要性を感じて実践してくれたら嬉しいです。今後は行政や企業・団体の関係者から「やさしい日本語講座」の需要がさらに増えるのではないかと思います。
まとめ コーディネーターは自治体のサポートに徹する
私の携わっている地域日本語教育体制整備事業のゴールは、あくまで各自治体の「自走」を助けることです。具体的に言うと、各自治体が地域における日本語教育の課題やニーズを洗い出し、予算を確保して定期的な日本語教室等の実施を実現するのを補助する業務です。
主体となるのは日本語教師個人ではなく、各地域のみなさん。コーディネーターは影武者になって、各地域の自主的な日本語教育の取り組みを多方面からサポートします。
地域の日本語教育に携わるのは日本語教師だけではありません。地域住民が積極的に取り組めるような活動の場をどのように構築できるを考えながら、次年度も少しずつ形にしていきたいです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
